１００ｋｍウォークをやってみた（第６チェックポイント77.05ｋｍの川越市役所へ⑨）
川島町役場（56.99km)を22時15分頃に出発します。
もう周りは真っ暗。川島町役場付近の周りはたんぼ。明かりも満足にない状況です。
川越市役所まで20.06ｋｍ。長い道のりです。
川島町役場を出発すると前方に65歳位の3人組のおじさんを発見。
おしゃべりしながらのんきに歩いています。残り約５０ｋｍ。まだ半分くらい残っているのに能天気に見えます。「なめてるなー、直ぐ抜いてやる」と思って歩いていたら、少しずつ離されていきます。そう、満身創痍の私よりもずっと元気なようです。どんどん離され、いつの間にか見えなくなりました。40代前半力及ばず・・・。
いよいよ荒川河川敷。まっくらなロングストレート。灯りも何にもない。前後に人影もあまりなく、ただ寂しい。暗闇の中目を凝らすと台風19号の影響で堤防の中の荒川が荒ぶったであろう様子が伺えます。倒れた木や草、そしてその荒川の氾濫を恐れて、土嚢が積んであったり、消防署の方が配置されたであろう土嚢代わりのパイプがポツポツと置いてあるのが見られました。
もともと荒川は「荒ぶる川」として過去氾濫していたということです。今は川の流れを整え、高い堤防で囲うことで荒ぶることは少なくなりましたが、それでも高いポテンシャルを感じさせます。
夜空を見上げると一面の星空とは言えないが、星が確認できます。ただ、分かる星座を探そうとすると首がツリそうになるので、途中で断念。とはいえ、分かる星座もカシオペア座、北斗七星、オリオン座くらいですけど・・・。
恩田陸の「夜のピクニック」を思い出します。高校生が学校のイベントで夜を呈してハイキングをするという内容です。私は本で読みましたが、映画で主演していた隣に多部美香子ちゃんがいたら気分は違うんだろうなと思いながらそんなきらきらした高校時代なんかなかったとしょんぼりする。（映画はみてない）
入間大橋の外灯の下で夫婦と男子学生らしき3人が休憩中。休憩とはいえ、周りに何もなく、ただ灯りがあるだけです。自分も地べたにすわり、足をマッサージ。10分くらいして立ちあがって出発します。ボッチだから一人で休憩すればいいのに、でも寂しいんですよね。
その後、出発して10分したところで地図ないことが発覚。ズボンのお尻のポケットに入れていた地図を入間大橋で休憩したところに落としてしまったようです。後ろを振り向くと入間大橋が遠くに見えます。今のこの満身創痍の状況で、10分かけて入間大橋に戻って、10分かけてまた同じところに戻るのはちょっと考えられません。一歩でもゴールに近づきたいんです。早く終わってくれとしか考えられません。
引き返すことは諦め、地図はスマホで大会のHPからダウンロードしたPDFで代用することにします。このとき、そういえば、HPに大会地図があったはず！と覚えていたのが功を奏しました。
上江橋が遠くに見えますが、なかなか近づいてきません。のどが渇いて辛い。もうすでにペットボトルは飲み干しています。あの時、川島町役場でペットボトルと買っておけば・・・。お茶の味なんてなんでもよかったのに・・・。水でもよかったのに。あの時の自分、バカ！
そして、身体が痛みで悲鳴をあげています。そのため、ロキソニンの２錠目を0:00ころ投入することにしました。水がないので、唾液で飲み込みます。腰の痛みはひかないが、足の痛みは若干緩和しました。
そういえば、大会のコンセプトに「自分を見つめる」とありましたが、今の私は、痛みとしか向き合えない。それ以外の余裕はない。金払ってなんでこんな辛い目にあっているのと考えます。でも、興味本位で申し込んだの自分だしと自分自身の他悪い人はいないことに気づきます。
上江橋を過ぎ、ようやく最初に見えたコンビニで500mlのペットボトルを1本購入します。早速300mlほど一気飲み。ああ、身体に染みわたります。
気持ちも落ち着き。歩いていると懐かしの伊佐沼。ここで前方を歩く（先ほど抜かれた）女性二人が道を間違えたようでいなくなる。無事を祈る。
大会の最初に、「前を歩いている人は信じるな！」という言葉を忘れていたようです。
川越市役所まで残り２KMのところで半袖、短パン、サンダル、トートバッグの65歳くらいのおかまっぽいおじさん参加者1名に抜かれる。こちとらマジモードで参加しているのにあんな軽装で・・・。
ようやく川越市役所（77.05ｋｍ）に2:58に到着。休憩所ではパイプ椅子に10名程度元気なく座っています。私も空いているところに腰掛けます。
残り２３ｋｍ。もうすでに満身創痍。腰、足（太もも付け根、前、足の裏）、肩が痛い。通常だと５ｋｍ／時間で歩けるが、果たして今は・・・。
もう、絶望しかありません・・・。
