滝行やってみた(いよいよ滝行③)
荷物を持って小型のバンに乗られること数分、メイン通りを曲がり、車が山道を登り始めます。
少し過ぎると、車が停車してここから歩いて滝に向かいます。
あの修行僧の恰好をした案内人の方が車から荷物をとりだした後、道を先導してくれました。
我々も後に続きます。
つま先にできた豆をかばいつつ5分程度、岩の道を進むと滝が見えてきました。
あの修行僧の恰好をした案内人の方がそそくさと1人用のテントを立ててから、滝壺に戻ってきました。
滝の高さはおよそ10メートル、幅は1.5メートル程度とそれほど大きくありません。
まさに滝行をするための滝のようなイメージです。
どうも、滝行が終わったら順次来た時の服に着替えるようです。
その後、「順番どうしましょうか?」の質問。
総勢4名で参加。そのうち2名は私と次男。私と次男が続いてしまうと、終わった後で2人で着替えができません。スペースが1人分しかないので。他の2名をその間待たせるのも忍びない。
そこで私は、「1番最初で、そして息子を1番最後でお願いできますでしょうか?」といの一番に答えました。
そうすれば、他の2名が滝行をしている間に私が着替えることができますし。
この案に全員の了解をいただけ、ホッとしました。
ただ、この案が通ったということは、これから見たこともない滝行を前例のないままぶっつけで行うということです。
まだ、水の冷たさすら分かっていません・・・。
さて、順番が決まったことですので、先導していただいた案内人の方に作法を教えていただきます。
とにかく、大きい声で後に続いて呪文を唱えればよいのです。
ただ、呪文を唱えている間、容赦なく滝つぼの水を頭からバケツで掛けられます。
ちょっと水の冷たさに息が止まります。
そして、いよいよ滝に打たれます。
さあどうぞと促され、滝に向かいます。
一歩一歩滝に向かいます。足元は石がぬるぬると滑りやすくなっていますが、バランスをとり、ゆっくりと足を進めます。
さあ、あと一歩のところで滝です。
意を決して滝に入ります。
水の冷たさ、水の轟音、そして水の重さ。
そう、水って重たいんです。頭と肩にズンズンと重さがかかってきます。
なんとなく、滝の外から「もっと奥へ」という声が聞こえ、滝の岩肌に背を付けます。
そして、
「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」
と連呼します。
水の冷たさ、轟音、重さ、そして自ら発する声で必死になるためか、なにも考えられません。。早く終われ、いつ終わる。すぐ終われ、どうやって終わる。と考えていたら、手を引っ張られて強引に終わりました。
その間おおよそ1分程度でしょうか。
終わった後、感謝のお祈りをして着替えです。
ずぶぬれの体を拭き、着替えが終わるとすでに1名終わっており、3人目。
続いて次男です。
小学5年生の次男も呪文を唱え、滝に打たれます。もう、必死です。その姿に心が打たれます。
滝に打たれたことのある小学5年生なんて全国に何名いるでしょうか。
貴重な経験ができて喜ぶことを願います。
その後、全員着替え、車に乗りお寺に帰りました。
お寺に帰ると最後にお話しを聞いて、宝物庫のようなお部屋を案内いただき、帰路につきました。
帰りは、20代の女性を車に乗せて最寄りの駅まで送り届けてあげました。