気球に乗ってみた(アメリカ オハイオ州にて)
あなたは気球に乗ったことがありますか?
私はあります。
※じゃなきゃこのタイトルの記事はかかないですよね・・・。
あれは、20年ほど前、父がまだアメリカのオハイオ州にて勤務していたときのこと、大学4年生だった私は暇だったこともあり、父のマイレージを使わせてもらい、遊びにいくことにしました。
そこで、人生で初めての気球体験をすることになったのです。
まず、気球の飛び立つ場所に車で向かいます。
そこは、ただの広場でした。そう、アメリカのオハイオ州は五大湖の近くにあり、とても自然の多い場所です。つまり、田舎です。
道幅も広く、ゆうゆう4車線。車の数も多くないので、運転しやすそうです。
気球の出発地点に到着し、適当に車を停め、言われた場所に行くと、そこにはまだふにゃふにゃの気球がだらんと横たわっていました。横にはそれを運んできたと思われるコンテナ付トラック。これから気球をふくらまそうと2-3人で作業をしています。気球の下、我々の乗り込むゴンドラの方から大きなドライヤーのようなもので熱い空気を送り込み、気球を膨らませています。ものすごい轟音です。
ここまではなんとなく、テレビなどで見たイメージそのまんまですね。
ただ、あの大型ドライヤーもどきの迫力はすごかったです。
あんなので髪の毛を乾かしたら一発ですね。
作業を見学していると、もう2名気球に乗ると思われる外国人の夫婦がきました。※場所はアメリカですので、どちらかというと我々の方が外国人なんですよね。
人数がそろい、時間になったので、恐らくその気球の会社の代表者からの注意事項を聞きます。ただ、もう20年も前のことですので、何を聞いたのかすっかり忘れております・・・。
すると、準備を進めていた気球が立ち上がりました。
気球が立ち上がるとその大きさに圧倒されます。だいたい30mほどの高さですが、間近にみると大きく感じます。
立ち上がると同時に「早く乗れ」と案内をされて、急いで乗り込みます。
気球に乗り込んだのは先ほどの外国人の夫婦と我々親子の4名と操縦者の1名の計5人。
乗り込んだゴンドラの大きさは、120cm四方の正方形の形をした、高さ110cmほどの籐で編んだようなものです。5名も乗ると狭いのでお互いに空気を読んでそれぞれできるだけ端に立ちます。そして、それでも狭いので、上半身もできるだけゴンドラの外に出します。イメージは、下半身はゴンドラの中、背中を沿って立っている感じです。
乗り込むと同時にふわりと浮かび上がり、1m、3m、10mと高度を増していきます。
そして、地上と繋がっていたロープを離し、いよいよ飛行です。
どんどんと高さを増す気球。だいたい50mくらいの高さで上昇を止めます。
アメリカオハイオ州の田舎の風景を見渡せます。見渡す限り、広場と民家がぽつぽつ。
とくにこれといっためぼしいものはありません。
そう、ここで気づいたのですが、気球が操縦できるのは、高さのみ。
ゴンドラの真ん中にある「火」を調整するだけです!!!
どこに向かうかは風任せなんです!!
50m下をよくみると、先ほどのコンテナ付トレーラーが後をつけて来ています。
「え、どこに着陸するの・・・・」
と不安にかられますが、とりあえず今は気球を楽しむことにします。
50mの高さを風の吹くまま揺られるのはなんだかとってもゆったりした気持ちです。
ただ、飛行速度は思っていたよりも早かったですね。なんせ障害物がないんですから。
月並みですが、「鳥になったようです」。風に乗って進んでいるのでまさに飛んでいる鳥と同じスピードという感じです。
さて、15分くらい経ったでしょうか。操縦士のおっちゃんがなんとなくせわしなくなりました。そろそろ着陸するようです。
すると、おっちゃんが気球が進んでいる前方の空き地を指さします。どうも他人の家の広い庭に見えます。
だんだんと、気球が降下していきます。気球を飛ばしているの火が弱まっています。
30m、10mと降下していくにつれm地面も近くなってきます。
高いところにいると分からなかったですが、地面に近づくと気球が結構なスピードで進んでいたことが実感できます。
5m、3mと降下していますが、我々の乗るゴンドラのスピードは落ちません・・・。
「ズザッ―――――――――!!」
と、ゴンドラが斜めに倒れながら着陸します。もちろん乗っている我々も横倒しです。
なんとか、着陸し、そそくさとゴンドラから降ります。
すると、BBQをしていたその家の家族が5-6人わらわらと集まってきます。そうですよね。まさか気球が空から落ちてくるなんて思いませんよね・・・。
ゴンドラをみると、きれいな芝生を2mほどめくりあげながら横たわって着地しています。そして、花壇を少し壊しています。
その脇で気球が力なく、しぼんでいます。
しばらくすると、コンテナ付トレーラーが追い付き、気球の脇に陣取ります。
そう、ここは他人の家の庭。どうなるのか見守っていると、気球を操縦していた男性がおもむろに演説を始めました。聴衆はあのBBQをしていたご家族です。
「気球の歴史は・・・。」と気持ちよくしゃべっています。聴衆は笑顔で聞いています。3分ほどの演説が終わるとおもむろに「是非みなさんも気球に乗りにきてください」と割引チケットをポケットから取り出し、家族に渡していました。
それを喜んでもらう家族。あんたたち、家の庭めちゃくちゃにされたのよ・・・。